明治の思想家・中江兆民がこんなことを書いている。政治家が時と場所をわきまえずに世界を動かし、幾千万の人が災いを被ったとしても、後の学者はきっとこう言う。<あれは、ああならざるを得ぬ理由があって、ああなったのだ、と>(「三酔人経綸問答」岩波文庫)

 政治家が「学者」であっては困る。後付けの理屈を説くのも、評論家の仕事だ。「ああ」はならぬように、混迷する今をより良くする。そのための政治家ではないか

 民進党の新代表に蓮舫さんが選ばれた。低迷する党勢の回復へ、高い知名度と強力な発信力が支持されたようだ。選出後、「批判ではなく、堂々と提案力をもって政権としっかり戦う」と表明した。ぜひとも、そうお願いしたい。肝心なのは実行力だ

 「1強」の安倍政権に抗して、「この道」に代わるこの国の具体的な展望を示せるか。憲法やエネルギー、安全保障・・・。あまりに幅の広い党内の意見をまとめていかなければならないが、なまなかな覚悟では、党を立て直すことなどできまい

 「つまらない男」「男が泣くな」と、軽口ばかりが際立った代表選。党大会の直前に判明した台湾籍問題にも、早急にけじめを付けておく必要がある

 健全な野党のない国に健全な民主主義は育たない。百も承知でしょうが、政権交代は「2位じゃ駄目」なんです。