推計54万1千人。学校や仕事に行かず半年以上自宅に閉じこもっている「引きこもり」の人の数である。2010年の前回調査に比べて約15万人減った

 内閣府は「当事者への支援がある程度効いたのではないか」とするものの、とても喜べるような状況ではない。というのも「若者の生活に関する調査」との名前通り、調査対象は15~39歳で、より深刻とされる40代以上の実態は分からないままだからだ

 せっかくの機会に、どうしてもっと年齢の幅をとって詳細に調べなかったか、疑問が残る。39歳を境に引きこもりの人が急減するのならいいけれど、そうではない。これもお役所仕事の一つ、とは言い過ぎだろうか

 引きこもりの人がいる家の生計を立てているのは、多くが当事者の父か母という。40代になっても、さほど変わらないだろう。支える者もいずれ高齢になる。今まさに悩んでいる人や家族には、悠長に構えている時間はないのである

 調査では、引きこもりのきっかけは「不登校」とともに「職場になじめなかった」「就職活動がうまくいかなかった」といった回答が多かった。期間は「7年以上」が34・7%と、18ポイントほど上昇した。「3~7年」も40・8%を占めており、長期化が進んでいる

 一度レールを外れると、復帰は容易でない社会だ。対策の強化は急務である。