サテライトオフィス(SO)といえば徳島。そう知られるようになってきた。鳴門、神山、美波、海陽の4市町に、東京や大阪のIT企業、デザイン会社など計7社がSOを開設する。2011年に神山町で第1号が開設されたのを皮切りに、県内のSOは8市町の40社へ広がった

 このうち14社を数える美波町で、ある試行が始まる。それは県教委が取り組む、地方と都市の2校に籍を置きながら学べる「デュアルスクール」である

 美波町のSOの社員の子どもが来月、住民票を移さずに、東京から日和佐小へ期間限定で転校するという試みだ。東京などの本社員が、徳島のSOで短期間勤務する際に、子どもの転校が支障になる場合があった。それなら、転校の手続きを簡素化すればいい

 デュアルスクール、その先駆けとなるのは、7歳の小学2年男児。日和佐が初めて足を踏み入れる土地になるのなら、海の色、海を渡る風は、彼の記憶に長く刻まれるかもしれない

 経済的な豊かさを求めるあまり、置き去りにしてきたものはないか。都会であれ、地方であれ、生きやすさ、働きやすさ、暮らしやすさを、もっと求めていい。デュアルスクールは新たな学び方を教えてくれる

 人もカネもモノも、都会に及ばないが、地方は自然が豊かだ。SOもデュアルスクールも、徳島から始まる。