「1票の価値」は平等であるべきだ。当然のことである。でも現実問題、都道府県や市町村境を意識して区割りをすると、完全には等しくならない。それなら許容範囲はどれほどか

 「1票の格差」が最大3・08倍で実施された7月の参院選は違憲だとして、四国の有権者が訴えた裁判で、高松高裁は「合憲」と判断した。このところの流れに“逆行”してはいる。先行する二つの訴訟では「違憲状態」と指摘された。続く裁判でも判決は分かれている

 高松高裁判決は、選挙区を都道府県単位とする選挙制度を見直すよう求めた最高裁の判断からも距離を置く。都道府県単位は「住民の意見を集約的に反映でき、相応の合理性がある」とした

 合区の課題をわが目で見てきた本県としては、うなずける指摘である。有権者の理解が得られるならば、議員定数を増やして格差を縮めるのも一案だ

 だが、こうした事例が続く限り、定数増の主張は見向きもされまい。富山では政務活動費の不正で市議が次々とやめ、阿波市では副議長を務めていた議員が、うそをついて議会を休んだ

 議員の数を減らすのは本来、私たちの口がふさがれるようなものだけど、こんな人が、という事例がやまない。国政、地方を問わず議員の過剰感につながっている。選挙制度改革も健全な方向に進まないわけである。