15世紀、百年戦争で英国軍と勇敢に戦い、危機にひんしたフランスを救った農民出身の少女ジャンヌ・ダルクは、今も人々の崇拝を集めている
豊洲市場の盛り土問題や東京五輪施設の経費に切り込む東京都の小池百合子知事を、一部ではジャンヌ・ダルクになぞらえる声も。と思うと、都内のハロウィーンイベントで小池氏は、正義の剣を持った「リボンの騎士」の主人公サファイアに扮(ふん)してみせた
口八丁手八丁。衆院東京10区補選では、支援した候補を圧勝に導き、向かうところ敵無しの様相だ
勢いに乗った小池氏は、自らの政治塾「希望の塾」を立ち上げた。「小池新党」の布石か、来年夏の都議選に候補者を擁立するのではと、都知事選で小池氏と対決した古巣の自民党も戦々恐々の様子だ。自民党の方針に反して小池氏を支持した区議の処分も先送りになった。まさに、勝てば官軍か
都議会を牛耳ってきた有力者も気が気であるまい。小池旋風が吹けばどうなるか、都市型選挙の怖さは百も承知のはず
とはいえ、「政界の一寸先は闇」である。魑魅魍魎(ちみもうりょう)に足をすくわれないよう、ご用心。救国の少女は宗教裁判で異端とされて、火刑になったが、小池氏が都政を舞台にどんな物語を織りなすかは本人次第。万が一、尻すぼみになって旧弊に染まれば、正義の剣は都民の手に移る。
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