「君子の交わりは淡きこと水のごとく、小人(しょうじん)の交わりは甘きこと醴(れい)のごとし」。君子の交際は水のように淡泊だが長続きし、小人は甘酒のように甘くべたべたして長続きはしない

 では、韓国の朴槿恵(パククネ)大統領と親友の崔順実(チェスンシル)氏の関係は? 大統領だから小人ではなかろうし、べたべたして、しかも長続きしている。摩訶(まか)不思議である

 朴氏は若い頃、暗殺で母親を亡くした際、新興宗教の主宰者だった崔氏の父親を心の支えにしていた。その縁で、親しくなったとされる

 韓国での報道によると、崔氏は大統領府に「顔パス」で頻繁に出入り。朴氏の演説草稿にも手を加えていたという。外交や人事にも介入していた疑いもある。さらに、朴氏からよく掛かってくる電話を「煩わしい」とこぼしていたとも。これでは、到底、二人は大人(たいじん)とはいえない

 驚いたのは、朴氏が大統領府の高官や首相まで更迭したことだ。高官の一人は「全て大統領の指示でやった」と話しているという。政治家のトカゲの尻尾切りは、疑惑を招いた張本人を切るのが常である。部下をまとめてバッサリ切って、交際の張本人のトップが居残るというやり方は、日本では理解し難い。まさか韓流ではあるまいが

 いずれにせよ、検察の捜査を見守っていく。大切な隣国の韓国とは君子の交わりをしたいものだと思いつつ。