編み機が安価な品を紡ぎ出すようになった英国の産業革命期、手工業の労賃は下がる一方となった。仕事を奪われてしまう、と怒った職人は次々機械を打ち壊す

 首謀者と目された若者ラッドにちなんで、ラッダイト運動という。多数が極刑を含む重刑に処せられ、鎮圧された。目の前の邪魔者を消したところで、時代の流れは止めようがない。はるか昔の世界史の時間、他に方法はなかったか、と首をかしげたのを思い出す

 今なら暴動参加者の気持ちが少し分かる。東京大の入試突破を目指し、進化してきた人工知能「東ロボくん」の今年の成績は、昨年と同水準だった。そう聞いて、どこかほっとした

 難関私大合格も見込める実力は付いたものの、これまでの研究では、東ロボくんの読解力には限界があるらしい。ただ、囲碁将棋にとどまらず、軍事分野でも日々活用が進んでいる人工知能である。いずれは東大も合格圏内となるのだろう

 機械に取って代わられる仕事が今後、加速度的に増えていくに違いない。米国の通信社は、決算記事の作成に使い始めた。当方も人ごとではなくなっている

 不祥事を起こさないだけ、生身の教師よりも機械の方がまし。教育界にも遠からず、そんな日が来るかもしれない。人間だからこそ何ができるか。どの職業も厳しく問われている時代である。