地方議員への風当たりがこれだけ強い時期に、相当勇気ある提案だ。北島町議会(定数14)が月額22万600円の議員報酬を3万円ほど増額する方向で検討を進めているという

 昨年4月の前回町議選が56年ぶりに無投票となり、もっと立候補者を増やさねばいずれは議会運営にも支障が出る、との判断からだそうだ。定数を2減する案もあるが、こちらは反対があって、先行きは不透明

 3万円上がったのか、じゃあ出てみよう。そんな奇特な人がいるか。上げたところで、現役世代が専業でやっていくには厳しい水準だ。驚くほどの報酬を打つなら別だが、金目で解決できるだろうか。町民の理解も得られまい

 議員のなり手不足は、全国的に深刻化している。昨年の統一選では、町村議の22%が無投票当選した。危機感を抱き、特別チームで既に8回も会合を重ねてきた北島町議会の動きは時宜を得ている

 どうせなら、この機会により深く問題を掘り下げてもらいたい。最も多いはずの会社員、人口の半分を占める女性、子育て世代など、議会にいてほしい顔触れが、今の地方議会にどれほどいるか

 議会の活性化を言うなら、こうした人たちを呼び込む方策を考えなければ。夜間、休日議会など、報酬引き上げの前に、試みてみるべきことはたくさんあるように思うが、いかがだろうか。