8日に開幕する第99回全国高校野球選手権徳島大会には将来性の豊かな選手が数多く出場する。プロからも注目を集めているのは、最速150キロを誇る板野の森井絃斗投手。野手では前哨戦の県春季大会で最多打点を挙げた徳島商の千里卓矢内野手、打率トップの鳴門渦潮の豊久雄友外野手が注目株だ。夏の飛躍が期待される3人の3年生を紹介する。

板野・森井絃斗投手 最速150キロの速球武器

森井は「四国一の本格派右腕」との呼び声が高い。荒削りだが、184センチ、86キロの恵まれた体格から投げる速球には迫力と伸びがあり「自信のあるストレートを見てほしい」とクールに言う。
その名が一気に知れ渡ったのは県春季大会の小松島戦。アグリあなんスタジアムの電光掲示板にスピードガンで計測した「150キロ」の数字が表示された。8日後の川島戦にはプロの全12球団のスカウトが押し寄せた。
徳島大会では1年の夏に先発登板したことがある。しかし、秋からは右肘痛に悩まされるようになった。だましだましで投げて1年の終わりに147キロを出したが、最後の夏を見据えてクリーニング手術に踏み切った。外野手と捕手を経験して2年の秋に再び投手へ。コンバートされた間、下半身を徹底的に強化したことで、球威が増した。「まだまだ速くなる。夏は153キロを出したい」と力強い。捕手としてチームメートの球を受け、それまで以上に配球も考えるようになった。
「(県内では)10年に1人の逸材」と、和田監督は素質を高く評価し、同校初の甲子園出場を視野に入れる。森井は卒業後は社会人野球の道へと進む予定だが、その前に聖地のマウンドに立つ勇姿を思い描く。

徳島商・千里卓矢内野手 長打力が魅力の4番
鋭いスイングで長打を量産する徳島商の千里

千里は県春季大会の全5試合で長打を放って14打点を挙げ、徳島商を優勝に導いた。「欲張らず低い弾道を広角に打ちたい」。夏もチームバッティングに徹するつもりだ。
どっしりと腰を据えた構えから繰り出すスイングは、鋭さを増している。厳しいマークが予想されるが、「チャンスはきっちりものにする。それが4番の仕事」と主砲としての自覚がのぞく。
かつては好不調の波が激しく、昨年の県秋季大会では控えに回った。転機は全国選手権で8強入りした鳴門と国体前に行った練習試合。本塁打を放って迷いが吹っ切れ、「自信になった」。それ以来、落ち着いてバットを振れるようになり、確実性が高まった。

鳴門渦潮・豊久雄友外野手 走攻守で部員けん引
巧みなバットコントロールが光る鳴門渦潮の豊久

第1シードの鳴門渦潮の1番豊久は県春季大会で打率5割4分5厘を残した。頼れるリードオフマンは、選抜帰りの明徳義塾と戦った四国地区大会でも3安打を放ち、馬淵史郎監督をうならせた。
しなやかなバットコントロールと左右に打ち分ける技術に、パワーを持ち合わせる好打者は、状況に応じた打撃もできる。「走攻守で下級生を引っ張りたい」と話すように、50メートル6秒0の足を生かした機動力と堅守でもチームを支える。
昨夏の決勝は無安打に終わり、鳴門に敗れて悔し涙を流した。目標は現校名となって初の甲子園出場。「打線の火付け役になり、みんなで打って勝ちたい」と意気込む。