戒めとなる言葉は数あれど。善行は砂に書かれ、悪行は岩に彫り込まれる、という。韓国政治史に長く語り継がれるであろう国政介入疑惑である。朴槿恵大統領はきのう、責任を取り任期満了前にも辞任する、と表明した

 どうにも要領を得ない談話で、国会に投げた退陣の条件も厳しい。意図は弾劾逃れにある、と野党は反発している。言われてみれば辞意表明にして、表情には決然としたところがないようにも見えた

 この期に及んで、なぜぎりぎりの駆け引きを、と隣人としては思う。大統領府・青瓦台前を埋める人波に明らかだ。民心は既に離れている。時間稼ぎとするなら、岩に刻まれる文章に、さらに辛辣な一文が付け加えられるだけではないか

 親友への国政丸投げや利益供与など、民主主義を掲げる国としてはあり得ない疑惑である。やらなければならないのは「100回の謝罪」より、国民に真相を語ることだ

 政権交代が異常な形で進めば進むほど、次の大統領は反朴路線を強めざるを得なくなる。そうなれば核・ミサイル開発を続ける北朝鮮への対応や改善に動いてきた日韓関係への影響は避けられない。最終解決をうたった慰安婦問題を巡る合意もどうなるか

 韓国と日本、善行を岩に刻み合うような固い絆を結ぶためにも、いたずらに混乱を長引かせてほしくはない。