首尾よく泥棒には成功するが、お宝を横取りするヒロイン峰不二子。銭形警部の追及も、あと一歩でルパンに届かない。テレビ版「ルパン三世」、お約束の筋書きである

 筋がどうこう言うより、主人公とその仲間のはちゃめちゃぶり、何よりも楽しみにしていたのはエンディング曲だった。画面は、はるか遠く、オレンジに染まった大地を、ひたすらバイクで駆ける不二子のシルエットを映しだす

 足元に絡みつく、赤い波をけって|。粘っこいボーカルがとにかくかっこいい。「狂った朝の光にも似た」といった刺激的なフレーズ、ルパン愛用の拳銃「ワルサーP38」も飛び出して

 何を歌っているか、大人になった今でも、はて、というところがあるが、「かっこいい」に論理的な整合性は不要である。原作者モンキー・パンチさんの訃報に、あの名シーンを思い出した

 あか抜けた作風からは想像できない、と言えば、天につばするようなものだが、出身は日本地図の右の端、北海道は浜中町だそうだ。ルパンの町として売り出し中で、この手の中に抱かれたものは、悩みも何も、全て消えていきそうな美しい風景が自慢

 ルパンはもとより次元大介、石川五ェ門を育てたのも、都会のよどんだ空気ではなく、北の大地だったのだ。どうりで本当の悪人が出てこなかったはず。ふに落ちた。