俵万智さんの作品である。<さんがつのさんさんさびしき陽をあつめ卒業してゆく生徒の背中>。歌人で細胞生物学者・永田和宏さん著「人生の節目で読んでほしい短歌」(NHK出版新書)で紹介されている

 卒業式が<「卒える」という側面のほかに、もう一つ大切な、新たな別の世界へ「入っていく」という側面をもつことを強く感じさせる歌であります>とある

 春3月の卒業シーズンにはまだ早いが、新たな世界へ羽ばたく、そんな生徒の背中を押してきた曲が、ちまたに流れだした

 人気グループ「いきものがかり」のヒット曲「ありがとう」「YELL」などである。<いきものがかり放牧宣言。ここでひとまず「今まで、ありがとう。」そして「これからも、よろしく。」>。おととい、活動を休止すると発表した

 リーダーの水野良樹さんと、小学生時代の同級生で共に「生き物係」だった山下穂尊さん、友達の妹、吉岡聖恵さんの男女3人でバンドを結成、昨年はメジャーデビュー10周年だった。放電すれば充電が要る。活動休止を「放牧」と表現したのは、いかにも「いきものがかり」らしい

 来る人あり、去る人あり。サヨナラは悲しい言葉じゃない、それぞれの夢へ…。そう歌われ多くが背中を押されてきた。活動再開を約束して、休む人にも「YELL」を、である。