以前、この欄で「年相応に失敗談がある」と書いた。ちょっと見えを張った。本当は「失敗談には事欠かない」のである

 近年まれにみる大雪に見舞われた広島市の様子をテレビで見て、よみがえった。雪でもやらかしていた。正確には巻き込まれたのだが、そんな正確さはここでは無用だ。いずれも、かなり昔の話になる

 兵庫の山中で、夜も遅い時間だった。「大丈夫だよ」と言っている間に坂道で立ち往生した。降りた途端、無人の車は坂下めがけて滑っていき、道路脇の雪の吹きだまりに突っ込んだ。重機で救出してくれた人いわく「こんな道をチェーンなしで走るとは」

 次は長野までスキーに出掛けた帰り。夜も早い時間、郊外を走る平らな直線道路、今度はチェーンをしていた。なのに何の弾みか突然、車がくるりと回転し始めた

 こうなると、お手上げだ。車は回りながら対向車線を横切って、下の畑に飛び込んだ。幸運なことに、ひっくり返りもせず、そのまま着地した。体操ならほめてもらえただろうが、冗談を言う同行者はいなかった。いやはや、思い返せば「よくぞご無事で」

 四国徳島でも、慣れない雪に警戒が必要な時季である。味わって初めて知るのが雪の怖さだ。過去には人命も失われている。過剰反応と言われようが当方、あれから冬用タイヤを愛用している。