徳島市の新町川沿い一帯で、きのう開幕した「はな・はる・フェスタ2019」。そのイベント名から、鎌倉時代の禅僧・道元の名歌を思い出した。<春は花夏ほととぎす秋は月冬雪さえて冷しかりけり>

 春はやはり花だ。冬を越えて、野や山には色とりどりの草花があふれる。花こそが生命感あふれる季節の到来を告げてくれる

 道元には春にまつわる、こんな句も。<春を画図するに、楊梅桃李を画すべからず、まさに春を画すべし>。春は目に見えず、耳に聞こえない。だから春を表現する時、ヤナギやウメの花を描くけれども、春そのものをなかなか捉えられない。描いた一枝の花が春全体を表していなくてはならない、ということだろう

 これは画人だけではなく、われわれ物書きの端くれも心したいことだ。そんなことを考えながらフェスタをのぞいた

 陽光に照らされた藍場浜公園は、まさに春らんまん。恒例の阿波踊りには人垣ができ、沿道の赤や黄、白のパンジー、ペチュニアが踊り子を引き立てる。ステージでは、若者たちがダンスで躍動する。県内各地の物産、名店のグルメも盛りだくさんで、食欲をくすぐる・・・

 こんな拙文では、道元さまから「フェスタの魅力を描けていない」とお叱りを受けそうだ。もはや言葉では言い表せない。なのできょう、ぜひお出掛けを。