長い間、治らない病気や持病を宿痾(しゅくあ)というが、その一つともいえまいか。都会には都会の、地方には地方のよさがあると、悠長に構えてもいられない

 地方からの人口流出が止まらない。流入するのは、東京、神奈川、埼玉、千葉の、いわゆる東京圏である。総務省が公表した住民基本台帳に基づく2016年の人口移動報告では、転入者が転出者を上回る転入超過が11万7868人だった。阿南、小松島の両市を足しても余りがある

 人それぞれ地方を離れ、都会を目指す理由がある。だが、21年連続の転入超過は異常だろう。ひょっとすると、このまま…。そんな不安もよぎる

 安倍政権が「地方創生」を目指し、その看板を上げてから約2年半になる。国が範を示すとした中央省庁の地方移転は、文化庁の全面的な京都移転が決まっただけ。消費者庁の徳島移転を巡っては、7月に稼働予定の政策立案拠点の成果などを検証し3年後をめどに可否を判断する

 「笛吹けど踊らず」。東日本大震災で一極集中のもろさに気付いたはずなのに。東京にいなければ、全てのことで不便だ、という看板はもう下ろさないといけない

 元日付本紙に、一極集中の是正を望む人が75%に達したとある。本社を東京から地方に、人も都会から地方に。そんな流れは起きている。寛解、是正へ一歩ずつ確かに。