サラリーマン川柳を読み、素直に笑っていられたのはいつ頃までか。そんな気もする今年の入選作である

 第一生命保険「サラリーマン川柳コンクール」。既に30回を数えるという。筆頭に挙がったのは<落ちたのは 女子力、体力、 保育園>。匿名ブログで話題を呼んだ「保育園落ちた」をもじったのだろうが、個人的には悲哀が勝ちすぎているようにも思う

 <効率化 提案するため 日々残業>。大手広告代理店電通の新入社員自殺を機に始まった長時間労働是正の議論が進行中とあれば、「残業」の二文字を見るだけで心が重くなる

 <ゆとりでしょ? そう言うあなたは バブルでしょ?>。バブル上司にゆとり部下。面白いが、危機感が先に立つ。笑ってる場合ではない、という人も多いはずだ

 かつてこんなふうなことが言われた。「退職までの賃金が計算できる人生なんて真っ平だ」。サラリーマンを皮肉ったものだが、そんな平穏な人生は雲散霧消した。正社員になることすらおぼつかないのである。サラリーマン川柳が本当に楽しめたのは、終身雇用に代表される日本型の労働慣行が、かりそめにも生きていた時代かもしれない

 今、働き方も大きな変革期にある。時代の変わり目、しわ寄せを受けるのは常に弱き人々である。現代では、その一集団をサラリーマンと呼ぶ。