歴史学は常に発展しているようで「いいくにつくろう鎌倉幕府」の語呂合わせは、もう過去のものらしい

 1192年、源頼朝が征夷大将軍に任ぜられたのは間違いないとしても、幕府の始まりは、頼朝が鎌倉に入った1180年とする説など幾つかある。今、最も有力なのは、守護・地頭の任命権を得た1185年だそうだ

 小中学校の次期学習指導要領改定案が示された。近年の研究を踏まえ、授業や教科書で取り上げる歴史用語も変更するという。「聖徳太子」は歴史学で一般的な「厩戸王」に、元寇は「モンゴルの襲来(元寇)」と呼び替える

 江戸時代の「鎖国」は記述すら消える。長崎ではオランダや中国と交易が続いていたし、松前(北海道)や薩摩(鹿児島)などでも貿易が行われており、完全に閉ざされてはいなかったとして

 用語の変更にとどまるなら、現場も対応しやすい。だが、小学校の授業時間数を増やして外国語を3、4年から始めたり、中学校の英語授業は原則として英語で行ったりするよう求められても大変だろう、と旧知の教師の顔を思い浮かべた

 最新の知見を盛り込むのも、グローバル化の流れに合わせて語学に力を入れるのも理解はできる。ならば「いいくにつくろう文部科学省」。研修の充実や教員増は欠かせまい。学校に課題を丸投げすることなく。