論語読みの論語知らず。日々明らかになるのは、教育勅語読みの教育勅語知らず。勅語を信奉する人にはそう映っているのではないか。国有地を格安で手にした大阪市の学校法人「森友学園」を巡る問題である

 適当かどうか別にして、勅語を幼児に暗唱させる教育で知られる。戦中、国民学校に通った人はご存じと思うが、その一節。「智能ヲ啓発シ徳器ヲ成就シ…」。懸命に勉強して、知識や才能を伸ばし、徳を養いなさい…

 自民党の鴻池祥肇元防災担当相によると、学園理事長は陳情の際、「こんにゃくか、金かは知らん」紙包みを、手渡そうとしたことがあったという。「こんにゃく」は100万円の札束の隠語でもある。事務所の面談記録を見ると、学校用地の取得に絡み、学園側が「政治力」を頼みにしていたと考えるほかはない

 教育勅語は、世のために力を尽くせ、憲法を重んじ法を守ろう、危機あれば国に奉仕し天皇制を支えよ、と続く。学園側の態度は勅語が掲げる「臣民」の徳目にかなっているといえるだろうか

 「教育者としていかがなものか」。安倍晋三首相も突き放した。そもそも、ごみが埋まったままでは、子どもの健康が危うい

 8億円値引きの真相も、一緒に地中に眠らせたまま、小学校は予定通りに開校します、では。瑞穂の国で、そんな理屈は通らない。