穏やかなこと。仲良くすること。日本、日本風、日本製。「和」を広辞苑で引くと、心が和む。「和をもって貴(とうと)しとなす」。古来、仲良くやっていくのが最も大切だと説く。対立よりも和を重んじる日本人の心情に響く言葉だ

 一時は与野党の溝が埋まらないかと思われた天皇退位を巡る国会の見解が、ようやくまとまった。自民党が主張した天皇陛下一代限りの特例法が柱である

 皇室典範付則に特例法と典範の関係を示す規定を置き、双方を一体と位置付ける。これで、憲法違反との疑義を解消し、将来の天皇退位の際の先例とする。典範改正による恒久措置を求めた民進党などへの配慮が実った

 「初めに特例法ありき」という筋書き通り。そんな感は否めないが、与野党が知恵を絞って歩み寄ったのは喜ばしい。皇室への尊敬と和の精神が感じられる。男性皇族が少ない皇室には、皇位継承の安定化という難問が残る。見解は「女性宮家の創設等」が法施行後の政府の検討課題だとした

 先日の全体会議では、日本のこころが「旧宮家の復帰も並列すべきだ」と注文を付けた。意見集約に当たった大島理森衆院議長は「等」にそんな意味を込めたとして、理解を求めた

 文言に腐心の跡が読み取れるのは、積み残された課題が多い証しだろう。皇室のあるべき姿を、国民全体で論議したい。