偏った見方にも程がある。山本幸三地方創生担当相である。おととい地方創生に関するセミナーに出席しこう述べた。外国人観光客らに文化財などの説明、案内が不十分だとして「一番のがんは文化学芸員。この連中を一掃しないと駄目」

 学芸員をやり玉に挙げたが、果たして役割、使命をご存じなのだろうか。博物館法に定められた専門職で資料の保管や展示、調査研究などを行う。文字にすればこれだけの仕事だ、などと思っていないか

 挙げればきりがないが、例えば冬の林の中で見つかったホタル、ふすまの裏張りとして使っていた逓信大臣名の文書など、小さな生き物や資料から、かつての環境との違い、背後に広がる世界を説いてくれたのは学芸員だ

 障害者や高齢者、外国人らにも親しみやすい施設を目指す「ユニバーサル・ミュージアム」。徳島県立近代美術館も取り組んでいるが、そこに息づいているのは学芸員の心配りやアイデアである。もちろん、企画展示にも宿っているだろう

 山本氏は「自分たちだけが分かっていればいい、分からないなら来なくて良いよ、というのが学芸員の連中だ」と批判を重ねたようだが、批判されるべきはさて

 誰から数えればいいのか、政治家の失言が後を絶たない。問われているのは学芸員の仕事ではなく、大臣自身の資質ではないか。