訂正までの5分で交錯したのは、まさかであり、よもやであり、間違いだろう、との思いだったかもしれない。「ミサイルが発射され、着弾する可能性がある」。宮城県大崎市の防災行政無線放送を聞いた住民の反応である。市には、600件以上の電話が殺到した
あと1時間余りで核ミサイルが東京に着弾する-。ニュースを聞いた人々はパニックになり、あちこちで暴行や殺人、放火、略奪が起きる。首相は軍用機で大阪に移動し、府庁に臨時政府を置いた。だが、万策尽き、都民らは絶望し…
松本清張のSF作品「神と野獣の日」である。社会派の推理小説がすぐに浮かぶが、意外にも1963年にこんな小説を出していた。程遠かった、清張が描いた世界は程遠いままでいいのだが
国連安全保障理事会は、16日の北朝鮮による弾道ミサイル発射を強く非難する報道声明を発表した。自制、警告、制裁に、どれほどの効き目があるのかは分からない
安保理では、ロシアの要求を受けて、米国作成の当初案にはなかった「対話」による解決を促す文言も盛り込まれた。SFの世界を、現実は誰もよしとはしない
「ミサイルが発射され…」。あってはならないが、全国瞬時警報システム(Jアラート)絡みのポカはよくある。誤報を確報にしない、そのためには、粘り強い対話が要る。
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