質問 皮膚のぶつぶつ治療したい

 40代男性です。子どもの頃から二の腕全体にぶつぶつがあります。あまりかゆみはありません。数年前からは太ももにも同じようなぶつぶつができています。以前、皮膚科では「遺伝性で治らないだろう」と診断を受けました。市販薬もあるようなので治療法を教えてください。

 答え 市販薬使用は医師と相談

 鉄谷真由助教 徳島大学大学院医歯薬学研究部皮膚科学分野(徳島市蔵本町3)

 質問の症状はおそらく毛孔性苔癬(もうこうせいたいせん)ではないかと思います。

 毛孔性苔癬は思春期に顕著になります。二の腕や太ももの外側の毛穴に角化性の病変が出る疾患です。原因は常染色体優性遺伝の他に、ホルモンやビタミンの代謝異常、外的刺激などの複数要因が絡み合っています。その結果、毛穴に角栓が詰まり発症します。10代の3、4割が発症するありふれた疾患です。年齢を経ると自然に消えるのが多いです。それでも一部に長く残る場合があります。

 皮膚表面のみの変化で生命に関わる疾患ではありません。重要なのは、自然に症状が改善する可能性が高いこと。そのため、強い副作用が出る治療は避け、症状を和らげる対症療法が一般的です。得られる効果より薬剤の副作用のほうが強いと判断すれば、投薬はせず自然に治るのを待つ場合もあります。

 薬剤を使う場合は、保湿剤や、角質を溶かす作用のある尿素、サリチル酸、ビタミンAといった配合軟こう、皮膚の生まれ変わりを促すビタミンD3軟こうを外用します。ビタミンAの内服もありますが、催奇形性があるため一般的ではありません。これらは皮膚科で処方してくれます。

 また一部の外用剤は成分が同じ市販薬があります。

 市販薬は薬剤の成分が医師処方薬と同様なら、ある程度は効果が見込めます。ただし、医師処方薬とは濃度や添加物、基剤が異なるため注意が必要です。

 一般に日本で医師が処方するサリチル酸濃度は5~10%程度です。一方、市販では20%を超える薬もあります。高濃度ほど効果があると思うかもしれません。しかし、作用が強すぎて皮膚炎を起こす場合もあります。高濃度が必ずしも良いわけではなく、自分の肌に合った濃度を選ぶことが大切です。また、市販薬はべたつきを減らす添加物を加える、香料を混ぜるなど使用感改良のため、さまざまに工夫しています。

 べたつきがなければ日常の作業をしやすく、いい香りが使いやすいので良い点もあります。一方で症状がひどい時は、添加物が刺激となって症状を悪化させるかもしれません。このように、市販薬を使う場合は、短所と長所に注意して選びましょう。

 皮膚疾患は数年単位で長く付き合う例が多いです。忙しい時は医療機関の受診が難しい場合もあるでしょう。症状が軽い時は自然に治るのを待つ。症状がひどい時は皮膚科を受診し、落ち着いてから医師と相談した上で市販薬を検討するなど、皮膚の状態に合わせて粘り強く経過をみてください。