明らかだ。この人は、その任にない。人の痛みがまるで分からない。そんな政治家はいらない

 東京電力福島第1原発事故の自主避難者の帰還を「本人の責任」と言い放った、あの今村雅弘復興相である。「言葉の伝わり方がまずかった」と言い逃れしたが、今回はそうはいかなかった

 東日本大震災の被害を巡って、「まだ東北で、あっちの方だったから良かった。首都圏に近かったりすると莫大(ばくだい)な額になった」と述べた。東北で良かった、とは。すぐに撤回、謝罪したものの、だからといって許される話ではない。責任をとり、その職を去るのは当然だろう

 震災で1万5893人が亡くなり、2553人の行方が分からない(3月11日現在)。生きたくても生きられなかった人に、いまだに肉親と再会できない人に、どうわびるつもりなのか。心ない言葉に踏みつけられて、傷ついた被災者は大勢いる

 「良かった」と発言したきのう、今村復興相は、岩手県へのふるさと納税で三陸鉄道を支援する「三鉄オーナー」に就任した。元鉄道マンで、「鉄道には人一倍の愛着がある」そうだ。では復興相らしく、東北に愛着があったといえるのか

 北朝鮮がきな臭い、この非常時にも、政権のたがは緩みっ放しである。同じ事を何度繰り返せば気が済むのか。任命した安倍晋三首相の責任は重い。