起き上がり小法師(こぼし)という民芸品がある。転んでも倒れてもすぐに体を起こす。福島県の会津地方では、七転八起の縁起物として親しまれている
 
 徳島からチャーター便で福島空港に降り立ったツアー客一行に、地元紙の福島民報社はこれを贈った。手のひらに乗る3センチほどの大きさでかわいらしいものだが、たくましさを感じる
 
 傷つけられても起き上がる。東日本大震災を巡る不適切な発言で、復興相を辞任した今村雅弘氏の発言を逆手に取り、東北の本当の良さを表現した画像や短文がツイッターに投稿されている。「♯東北でよかった」
 
 ところが・・・。自民党の二階俊博幹事長は今村氏を擁護しようと、報道機関の姿勢を批判した。きのうの記者会見で問われて「意見のある人、物足りない人は、どうぞ来てくれれば結構だ」と怒りをあらわにした
 
 かつての重鎮には、それなりの見識があった。大平正芳元首相。野党の人が録音したスピーチを点検すると<「アー」とか「ウー」とかの合いの手をとると、ほぼ完全、正確なセンテンスになった・・・考え考えしゃべっていたのである>(「本物のおとな論」外山滋比古著、海竜社)
 
 大平さんの親友といえば伊東正義元外相である。故郷は会津若松、気骨ある政治家で知られた。「ならぬことはならぬ」と戒める声が聞こえてくるようである。