「一つの面で全体を見ることはできません」。日本漫画翻訳家・徐賢雅(ソヒョンア)さんは言う
 
 曽祖父(そうそふ)が独立運動家だったこともあって対日感情は良くなかった。日本のアニメに出合い、心が徐々にほぐれていったそうだ。独学で日本語を学び、翻訳家になった。あまり知られていないが、日本の漫画やアニメは韓国でも高い人気を誇る
 
 従軍慰安婦を象徴する少女像に加えて、徴用された労働者の像を日本大使館や領事館前に設置する、と韓国の団体が発表した。日韓の信義にもとる計画である。ただ、それをもって「反日だけ」の国と規定するのは、少々一面的だ
 
 しかし、そうなりがちなのも仕方がない。一つの面から全体を見てしまうのは、彼我を問わない人のさがである。悪いニュースは千里を駆ける
 
 これもまた、その類いの話にならないか心配している。サッカーJ2の徳島ヴォルティスの選手が、千葉市での試合中、ボールボーイに乱暴な行為をして退場処分となった。一つの軽率な行為が、好調に水を差し、徳島に対するつまらないイメージを植え付けかねない
 
 別のボールボーイに、サポーターがアルコールのような液体をかけたとも伝わる。既に十分反省しているのだろうが、いいニュースは足が遅い。それを肝に銘じて一戦一戦、選手もサポーターも根気強く戦っていくほかはない。