地味で小さいが、読まれている欄がある。「首相の一日」である。安倍晋三首相の分刻みの動きが分かる
 
 その「一日」に加計(かけ)孝太郎学校法人加計学園理事長の名前があった。本紙では2013年11月19日付以降、13件ほど。例えば16年12月25日付。前日24日の動静には午後6時2分、加計理事長らと食事とある。クリスマスイブの日
 
 そんな食事やゴルフを重ねる間柄を、首相の言葉を借りるなら「腹心の友」というのだろう。広辞苑によれば、どんな秘事でも打ち明けて相談することができる者、心から信頼できる者とある
 
 首相と理事長は米国留学時代に親交を深めたらしく、理事長はたびたび官邸を訪ね、首相も学園関連の式典に出席している。その加計学園(岡山市)の獣医学部新設計画で、内閣府から文部科学省に「総理の意向」が伝わったとする書面の存在が明らかになり、永田町が揺れている
 
 渦中の文書―。公文書の書式ではなく、作成者名も明らかでないなど、真偽のほどは分からないが、国有地売却を巡る森友学園問題と構図はほぼ変わらない。愛媛県今治市が新たな舞台として加わることになるのか
 
 疑惑を疑惑のままで置いておくわけにはいくまい。文書は本物か偽物か。当面はここが焦点になる。腹心の友との信頼関係も大事だが、政治への信頼も大事にしなければ。