昭和歌謡とロックやジャズを融合させた洗練された楽曲を、エモーショナルな歌声と前衛的ダンスで表現し、閉そく感漂う現代社会を個性や自由を発揮して楽しもうというメッセージを投げ掛ける女性4人組ダンスパフォーマンスグループ「新しい学校のリーダーズ」。演劇のように世界観が細部まで作り込まれたライブが支持され、大型音楽フェスへの出演が相次ぐ一方、Eテレでレギュラー番組を持つなど10代を中心に支持を拡大している。初の東名阪ワンマンツアーで大阪を訪れたメンバーが、パフォーマンスに込めた思いや今後の目標を語ってくれた。(文中敬称略)

 -結成の経緯は。

 MIZYU 道ばたですれ違った時、偶然心が共鳴し、お互いがお互いを呼んでいた感じです。…という設定です。

 SUZUKA 世の中に対して、もっと個性や自由ではみ出していいんじゃないかという気持ちを4人が持っていて、そこで共鳴したということで。

 -個性的なダンスが最大の魅力だ。

 RIN メンバー全員が10年以上のダンス経験があります。私はヒップホップや、ヒップホップや、はじくような動きがあるポップ、首をグニャグニャ動かすアニメーションといったダンスに特化してやってきました。

 SUZUKA 私はヒップホップもジャズもやってきたので、フリースタイルという感じでしょうか。

 KANON SUZUKAはメンバーで振りを付ける時に構成を考えるのが得意です。私はバレエ寄りのジャズですね。ターンとか、手先を奇麗にしたり、髪の毛をバサーッとしたりする動きがあったりします。

 MIZYU 私はヒップホップとジャズをやってきて、今はジャズ寄りの、激しいパキパキした感じです。

 KANON 私とRINがかけ離れているバキバキした感じで、その間にMIZYU、SUZUKAが入るという感じですね。

 -空気を読むことが求められがちな現代に「社会からはみ出そう」というメッセージは共感を呼んでいる。

 SUZUKA 生活がつまらない、息苦しい、大人だからちゃんとしないといけない。そんな考えは捨てて、素直に自分のやりたいことをやればいいんじゃないか、大切なことを忘れかけているんじゃないか、ということを、パフォーマンスを通して訴えています。

 学生同士でも、SNS上の付き合いでいろいろ悩むなどして、殻を破れずに閉じこもってるような人たちを呼び起こそうと。

 KANON ルールを守った上で、自分の好きなことを好きなようにやっていいんだよ、っていうことを伝えたいんです。

 RIN 自分の意見を言えなくなっちゃうのは違うと思う。自分のやりたいことや、こうしたいっていう強い気持ちは押しつぶしたらもったいない。絶対に出していった方がいいんです。だから、自分がやりたいことはやっていいんだぞっていうことを、みんなで強く訴えています。

 KANON 4人とも強い意思を持っていて、自分の考えを伝えたり、やりたいことを常にやっていたいと思ったりする性格なんです。それ以外の部分は全然違うんですけど、そういう点が合致しているんで「そうした方が楽しい」よっていうのを伝えたいです。

 SUZUKA 「全力で生きるって楽しいぜ」っていう。

 KANON 「青春だぜ」っていう。

 SUZUKA ライブを見た時に「こいつら全力でバカやってるけど、かっけえなぁ」って思ってくれたらうれしいっていう気持ちがありますね。

 -学校がコンセプトということもあって、10代の若者らの間で支持が広がっている。

 SUZUKA 4人とも現役の学生なので、学生にとってのあこがれの存在になりたいという気持ちはありますね。学生の半歩先を行き、その気持ちをリアルに伝えているという意味でも、同世代に「新しい学校のリーダーズさんみたいにかっこよくなりてぇ」と思ってほしいです。

 ただ、10代だけではなく、大人の皆さんにも「子どもがこんなに全力を楽しんでるなら、俺らも『大人やから我慢せなアカン』みたいな気持ちを捨てて今を全力で楽しむぞ」と思ってもらいたいです。

 KANON 学生のエネルギーは無限大なんです。でも本当は学生だけじゃなくて大人の人たちも自分のやりたいことを全力でできたら青春なんだという意味で「エンドレス青春」っていうことを伝えています。だから、全ての層の人に刺さったらうれしいなって思います。

写真を拡大  MIZYUさん

 -そうしたメッセージをパフォーマンスでどう表現するのか。

 SUZUKA 私たちは振り付けや曲に対するこだわりがすごく深いところまで行っているので、その強さ、全力感で伝えたいと思ってやっています。

 RIN それぞれの曲のテーマに沿って自分たちが表現したいことをどんどん詰め込んで、歌もダンスも全身を使ってパフォーマンスしています。その全力感や、ストーリー性が明確に見える曲を通じて、何かを感じ取ってもらえるんじゃないでしょうか。

 KANON これまでリーダーズには「学校あるある」的な楽曲が多かったんですが、最新アルバム「若気ガイタル」の中の「迷えば尊し」は青春をドンって伝える曲で、言いたいことを真っすぐに詰め込んでいるので、ライブでやる時は感情的になりますね。

 -メジャーデビュー以降の楽曲プロデュースを手掛けているH ZETT Mさんとの関係性は。

 SUZUKA H ZETT Mさんと私たちで、新しい学校のリーダーズを一緒に作っている感じですね。私たちとMさんが交わることで良い化学変化が起きるというか。

 MIZYU 2枚目のアルバムでも「こういう曲に挑戦したいね」と4人で話し合って提案したことが反映されていて、Mさんの世界観に私たちのニュアンスも取り入れてくださっています。

 SUZUKA 振り付けは全て私たちがやっているんですが、曲を頂いて最初に聞いた時の印象と、自分たちが振り付けてイメージがプラスされたものの印象が全然違ってくることも多いんです。

 だから「若気ガイタル」も曲だけじゃなくて、私たちの表現がプラスされて完成すると思っています。Mさんプロデュースの楽曲と、私たちの表現が「バーン」と合致して作られる感じですね。

 MIZYU まだ振り付けが完成してない曲だと思い入れが全然違いますね。振り付け前も好きなんだけど、完成すると愛がどんどん深くなっていく。それをライブで披露してお客さんからの反応を見て、またどんどん好きになるし、やっとその曲のことを理解できると思っています。

写真を拡大  RINさん

 -メンバーの振り付けで世界観が深まるという具体例があれば。

 SUZUKA たとえば「若気ガイタル」のリード曲になっている「恋ゲバ」の振り付けで、私がKANONさんを殴るシーンがあるんです。ドラムの「ドッ、ドッ」っていう音に合わせて「ボーン、ボーン」って。

 先生に恋してしまう女子生徒の気持ちを歌った曲なので、先生が自分の友達と楽しそうにしゃべっているのに対する嫉妬心から八つ当たりするっていう表現で、先生に恋する狂気的な女子生徒の深い闇を表しました。

 KANON 恋ゲバの全体的な振り付けは、メンバーの左前に先生がいるという設定で、SUZUKAが先生を求めて、私たち3人が全力で止めるっていう感じの動きがたくさん入っています。

 SUZUKA 止める3人が社会や法律を体現しているんです。

 RIN 先生と生徒の恋は禁断っていう意味の壁だったり。

 MIZYU 「恋ゲバ」の「ゲバ」が、暴力にまかせてどうにかしようとするっていう意味があるんで、それも表しています。

 SUZUKA でも、こういうことは歌詞に入っている内容ではなくて、振り付けを考える中で私たちが作り上げた物語なんです。そういう意味でも、曲だけじゃなくて、私たちの表現があって世界観が完成するということなんです。

 RIN だから、楽曲だけ聴いていただくのもすごくうれしいんですけど、やっぱりライブを生で見ることで見え方や感じ方がすごく変わると思います。実際に見た時の圧や表情、風が伝わってくる感じや雰囲気で全然変わると思います。

 -振り付けはどのような流れで進むのか。

 KANON 最初に頂いた曲を聴いて、まずはそれぞれにイメージが浮かぶので、それを4人で言い合ったり、ホワイトボードに書き出したりして、基となる言葉をポンポンと出していきます。

 MIZYU この曲に対してどういうアプローチをするのかを固める作業ですね。

 KANON 曲の大体の構成や流れを作った上で、それぞれが持ち帰って細かな部分のアイデアを考えて、それを持ち寄って具体的にしていきます。

 MIZYU 持ち寄ったアイデアを話し合う中で、新しいアイデアが生まれることもあります。

 SUZUKA 自分が持っていなかった案を誰かが持ってきた時に、またみんながピンとパッときて。

 KANON それぞれのダンスのジャンルが違うのが本当に良くて、リーダーズとしての振り付けになるのも、4人がそれぞれ違う考えを持ってこれるからで、それを全部混合させるとすごく良い物ができるんです。

写真を拡大  SUZUKAさん

 -振り付けで大事にしていることは。

 MIZYU 強くしたいところがより強く見えるように弱いところを作るとか、緩急を大事にしています。ずっと踊っていて気持ちだけを強くしても強くは見えないので、そういうところはすごく計算しています。

 KANON 引き算が難しいんですよね。

 SUZUKA 入れまくるのは簡単なんですけどね。どれだけ引き算して、どれだけ大事なところを引き立たせるかっていうのは。

 MIZYU 最初にいっぱい盛り込んで作って、どこを一番見せたいかを考えて抜いていくのが多いですね。

 KANON ただ引き算するだけで成り立つところと、引き算してそこに何かしら新しいスパイスを入れないといけない場合もあって、曲によって作り方も全然違いますね。

 -個性もダンスの背景も異なる4人で、うまくまとまるのか。

 RIN 仕事でもプライベートでも初めからすごく仲が良かったんですけど、月日を重ねていろんなことを一緒に経験する中でどんどん愛が深まって、どんどんお互いのことを知って、こうしたい、ああしたいっていうリーダーズに対する気持ちも強くなりました。だから、まとまるというより、どんどん広がっていったっていう表現が正しいですね。

 SUZUKA リーダーズに対する感覚やイメージがミリ単位まで一緒なんです。振り付けをしていて「やっぱここ、こうやな」って誰かが言うと「そう思ってた」とか、「こういう色のイメージじゃない?」って言うと「めっちゃ分かる」とか。「こういう表現をしたい」という部分が一致しているんです。

 KANON 他の人には絶対に分からないよね。4人だから分かるっていう。

 MIZYU 全員が同じ方向を向いているというよりは、一つのことに対していろんな方向からの気持ちがあって、その重なってる部分がリーダーズの軸になっているんだと思っています。

 4人はそれぞれ異なる感性を持っていて、自分の持っていない物を他の3人が持っているから守備範囲が広い。だからこそ、新しい物を生み出せているんだと思います。

 KANON 4人が最初から今のように考えられていた訳ではなくて、一緒に成長してきたんだと思います。結構前に考えた振り付けを今見直すと「何でそんなことを考えてたんだろう」と感じて変えちゃってるんですけど、そういう感覚も一緒にどんどん上がっていっているんです。

 だから、今この振り付けがあって、もうちょっと何年かしたら、今の振り付けを「何でこれ付けたんだろう」ってなるかもしれない。4人でもっと成長していきたいですね。

写真を拡大  KANONさん

 -ダンスに加え、昭和の香りが漂う楽曲も魅力の一つだ。

 SUZUKA 私はお母さんのカラオケのおはこが中森明菜さんなので、一緒に「DESIRE」とかを歌っていたんです。お母さんが中森さんに似ているのかどうかが気になってインターネットで調べたのがきっかけで「昭和の人ってかっけえ」って思って、歌い方が変わりました。

 それまでは真っすぐ明るく歌うような、ノーマルな歌い方だったんですけど、いつの間にか「自分の歌声って、こういう歌い方の方が好きやわ」ってなって、中森さんとか、ちあきなおみさんを意識するようになりました。歌っていて、すごい気持ちいいです。

 MIZYU 私は自分の感覚で歌っています。深くは考えず、自然と、ありのままという感じですかね。

 RIN メインボーカルは強い歌声のSUZUKAにやってもらっています。MIZYUはすごく切なげな哀愁漂う声で、その対照的な感じがすごくいい。「若気ガイタル」では私とKANONも歌っていて、それぞれが声や出す雰囲気が違うので、すごく個性が見えると思います。

 -最新アルバムには昭和を代表する作詞家・阿久悠さんの楽曲が3曲入っている。

 SUZUKA 阿久悠先生の未発表詞にH ZETT Mさんが音楽を付けられ、私たちが歌わせていただくことになりました。最初は阿久悠先生を存じ上げなかったんですが、調べれば調べるほどすごい人だとということが分かりました。

 「人は死んだ時と忘れられた時の2回死ぬ」と言われますが、作品がずっと生き続けているという意味でも本当に素晴らしい方ですよね。その偉大な方の詞を歌わせていただくことは恐縮ですが、とにかく真剣に全力でやるしかないです。

 -6月でメジャーデビュー2周年。今後の目標は。

 SUZUKA 「若気ガイタル」は世の中に革命を起こせるという自信に満ちあふれた作品になりました。これを携えて全速力で進む気満々なので、リーダーズが世の中に革命を起こした状況を見るのが楽しみです。

 あと、学生の人たちに「リーダーズさんみたいになりたい」って言われたいです。言われて「そうか。付いて来いよ」って言いたいです。それが夢です。

 RIN 1枚目のアルバム「マエナラワナイ」で私たちの表現したいものが明確に決まって、それを「若気ガイタル」でいろんな方向に表現することができたので、そこからどう爆発していくかだと思っています。

 私たちのコンセプトでもある、自分のやりたいことを思うがままに表現していくということはずっと続けていくので、それに付いてきてくれる人がどんどん増えればいいなと思っています。

 KANON 去年は「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」や「COUNTDOWN JAPAN」といったフェスに出られたので、今年も大きいフェスだけじゃなくいろんなフェスに出て、いろんな人に知ってもらいたいです。

 私たちにはほかのアーティストさんと被ることのない独自の世界観があって、どこに行っても見ていただける人に何かしらの刺激を与えられる自信があるので、いろんな方の心に残るようなパフォーマンスに日々取り組んでいきたいです。

 MIZYU 自分たちの持っているもの、持っている曲、パフォーマンスに対する自信はあるので、あとは世に知っていただくだけだと思っています。知ってくれたらぶっ刺せると思っているので、シンプルに知名度を上げたい、大勢の人に知ってもらいたいですね。好きとか嫌いとかはどうでもいいので、知ってもらいたい。

 RIN 有名にはなりたいんですけど、リーダーズを好きでいてくれる人にとっての特別な存在ではあり続けたいというか。みんなのものになりたいけど、なりたくないという絶妙なところ、いつまでも特別感のある存在でいたいという気持ちはありますね。

 MIZYU 私たちのパフォーマンスを見てくれる方一人一人にメッセージを直接伝えるためにも、手の届かない存在にはなりたくない。小さいところでもいっぱいライブはしていきたいし、距離感が変わらないまま有名になりたいです。

 -ぜひ徳島県でもライブをやってください。

 SUZUKA 高知県には「よさこい」に参加した時に行ったことがあるんですが、徳島県にはまだ行ったことがないので、ライブで行きたいですね。

 RIN 機会あったらぜひ行きたいです。

■新しい学校のリーダーズ2ndアルバム「若気ガイタル」
 発売日:2019年3月6日 
 初回盤(CD+DVD) 価格:3600円+税 品番:VIZL-1534
 通常盤(CD) 価格:2800円+税 品番:VICL-65130
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 【CD収録曲】
 01.試験前夜 (作詞:新しい学校のリーダー達)   
 02.迷えば尊し (作詞:新しい学校のリーダー達)
 03.まさ毛カンナヴァーロ (作詞:新しい学校のリーダー達)
 04.恋ゲバ (作詞:松永天馬)
 05.雨夜の接吻 (作詞:阿久悠)
 06.ストリッパーに栄光を (作詞:阿久悠)
 07.狼の詩 (作詞:阿久悠)
 08.チラチラチラミー ~試験当日~ (作詞:新しい学校のリーダーズ)
 09.透明ボーイ (作詞:RIN)
 10.楽園にて、わたし地獄 (作詞:崎山蒼志)
 11.知りたい (作詞:鈴木晋太郎)
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 【初回盤DVD収録曲】
 1.毒花(MV)
 2.キミワイナ’17(MV)
 3.恋の遮断機(MV)
 4.最終人類(MV)
 5.狼の詩(MV)
 6.迷えば尊し(MV)
 7.恋ゲバ(MV)
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 【配信情報】
 iTunes Store、レコチョク ほか主要配信サイト、また Apple Music、LINE MUSIC、Spotify、dヒッツほか定額制聴き放題サービスにて3月6日より一斉配信開始。