空に消えていく言葉と、心に残る言葉がある。沖縄「慰霊の日」のきのう、全戦没者追悼式で高校3年上原愛音(ねね)さんが詠んだ「平和の詩」。亡き人の胸にも届いたろうか
 
 砲声とともに大空がよどんだあの日、「おばあ」は、隠れんぼをして遊んだウージ(サトウキビ)の森をはだしで逃げた。「おじい」は、鉄のにおいの混じった島風に、仲間の最期の叫びを聞いた。ウージの下、ガマと呼ばれる洞くつでは、わが子と自らの命を絶つ人がいた
 
 語り部の話を聞き、72年前の沖縄を知ったという。「人が人でなくなってしまう戦争で亡くなった方々に安心してほしかった」。私たちは、平和のために行動できる。そんな思いを込めて、一語一語編んでいった
 
 澄んだ空を二度と黒く染めたりしない。美しい大地を二度と切り裂きはしない。<ここに誓おう。/私は、私達は/この国は/この世界は/きっと愛しい人を守り抜くことができる>
 
 同じ日、市川海老蔵さんの記者会見にも泣かされた。「愛してる」。妻の小林麻央さんは、そう言い残して旅立ったのだという。34歳、2人の幼子の母でもあった。こぼれる涙で頬をぬらして、海老蔵さんは語った。「最期の最期まで愛してくれていた」
 
 慈しみ、慈しまれ。心の奥底まで染み入る言葉を聞きながら、命と愛、深く考える一日となった。