<真実は多くの言葉を必要としない>。シンプルな、しかし、一度聞いたら忘れられない箴言(しんげん)が、繰り返し心に浮かぶ

 政府の国家戦略特区制度を活用した学校法人加計(かけ)学園の獣医学部新設を巡る問題が、新展開を見せている。萩生田光一官房副長官が文部科学省幹部に、こんな発言をしたのか。新たな文書が事態を揺さぶる

 「10/21萩生田副長官ご発言概要」という見出しで、文科省専門教育課の共有フォルダーに保存されていた。真相はいかに

 「総理は『平成30年4月開学』とおしりを切っていた。工期は24カ月でやる。今年11月には方針を決めたいとのことだった」「官邸は絶対やると言っている」。その記述はリアルだ。当の萩生田氏は「全く心当たりのない発言を私の発言とする文書やメールが文科省の職員により作成されている」としたが…

 内閣府職員が送信元のメールには、学部新設要件に関して、萩生田氏から文言修正の指示があったとする内容が含まれる。「文科省からの出向者で、陰に隠れ本省にご注進したものだ」。これは山本幸三地方創生担当相の発言だが、言い過ぎは持ち味か

 官邸の関与を示唆する記録が次々に出る。政府はその信ぴょう性を否定するが、作業は大変だろう。都合が悪くならないよう、説明をひねり出すには、多くの言葉を必要とするからだ。