読解力や思考力を鍛え、想像力や感受性、表現力を養う。本には数え上げればきりがないほどの効用がある。

 「こどもの読書週間」(5月12日まで)が始まった。この機会に、学校や自治体、家庭などが連携して、子どもの読書を後押ししたい。

 徳島県教委の2017年度の調査によると、1日に30分から1時間の読書をする小学5年生の割合は37・5%で、中学2年生は27・1%だ。

 10年度と比較すると、いずれも増加しており、1時間以上読書をする小中学生も増えている。

 とはいえ、中学生になると読書時間が減る傾向があるようだ。部活動や塾通いで多忙になるからだろうか。スマートフォンの普及などが影響しているとの指摘もある。

 一方、全く読まない子どもが小学5年生で2・5%、中学2年生で10・1%いる。17年の全国調査を見ると、高校生では50・4%に上っており、活字離れは深刻だ。読書習慣を継続させることや不読の児童生徒を減らすことが課題となっている。

 肝心なのは、本に親しむきっかけづくりだ。

 幼児期は言うまでもなく家庭の役割が大きい。効果が期待できるのは、読み聞かせや、親子で一緒に本を読むことである。県内には、図書館などで読み聞かせを行っている団体は数多くある。ぜひ親子で参加してほしい。

 県教委は「読書の生活化プロジェクト」を進めてきた。18年度から3年間の第5次ではお薦めの本や、気になる新聞記事についての話し合い、多様なブックリストや新聞スクラップの作成、書評合戦(ビブリオバトル)の実施などを促している。

 読書の楽しさを知り、生活に役立つことを理解してもらうことが狙いである。発達段階に応じて、さまざまな図書や活字に触れる機会がさらに増えるよう、各学校で取り組んでもらいたい。

 県や市町村には、学校図書の選定や読書のアドバイスなどを行う学校司書の配置を求めたい。県内の小中学校で配置しているのは半数ほどで、全国平均を下回っている。

 本を読まない理由として、「読みたい本がないから」を挙げる子も多い。学校司書の配置が広がれば、こうした児童生徒も減っていくのではないか。

 財政状況が厳しいとはいえ、学校図書館、公立図書館を充実させるための予算支出を惜しむべきではない。新刊の定期的な購入や、すぐに必要な本が読める環境をつくることが、読書意欲をかき立てることに結び付く。

 新学習指導要領には、小学校からの外国語やプログラミング教育の実施など、目新しいものが並んでいる。国語力は全ての土台となるものだ。その力を培うためには、教科書を読むだけでは十分とは言えない。良書との出合いは、深い学びにもつながるはずである。