シェークスピア劇の数多い名せりふの中にある。<この世界はすべてこれ一つの舞台、人間は男女を問わずすべてこれ役者にすぎぬ>「お気に召すまま」小田島雄志訳
 
 人がみな役者なら、答弁者もまた役者。ならばこちらの舞台は役者が足りなかったようである。「加計(かけ)学園」の獣医学部新設計画を巡って衆参両院の委員会で開かれた閉会中審査は、何ともすっきりしないやりとりが続いた
 
 行政がゆがめられたとする前川喜平前文科事務次官は、国家戦略特区の担当は内閣府だが、背景に官邸の動きがあったと強調。獣医学部新設も「(選定の)プロセスが不透明で不公正だと思っている。初めから加計学園と決まっていた」と主張した
 
 対する政府側。決定過程は適正と繰り返したが、疑惑の雲を吹き払うほどの迫力はなかった。安倍晋三首相は欧州歴訪中。主役が不在では当然だろう。キーマンと名指しされた首相補佐官の姿もなかった
 
 1強政治の推進力だった内閣支持率が大きく下がっている。失った信用を取り戻すには、またとない機会のはずだった。延々とかみ合わない議論ばかり聞かされ、解明どころか、疑問は膨らむばかりである
 
 <このままでいいのか、いけないのか、それが問題だ>とハムレットは言った。ここは「いけない」に決まっている。必要なのは首相の言葉だ。