その数が日々、増える。九州豪雨の発生から1週間。犠牲者は既に25人以上に上る。行方や安否の分からない人もまだ大勢。被災地の記事に胸がふさがる

 いきなりの災禍である。福岡県朝倉市で亡くなった江藤由香理さん(26)の場合は、あまりにもむごい。産休中で、来月9日が第2子の出産予定日だった。幸せのさなかだったはずだ

 鉄砲水に襲われたとみられる2階建ての実家は、10メートルほど流されて、1階がつぶれ土砂や倒木が流れ込んでいた。由香理さんは1歳の息子、友哉ちゃんを抱きしめていたという。家族3人の告別式で夫はこんな別れの言葉を述べたそうだ。「命の尊さを知った。これから精いっぱい生きる」

 逃れ難い災害はあろう。そこから、どう生き延びるか。「被災地を歩いても、その答えは見つからなかった」。福岡、大分の現地を取材した本社記者が書いていた。自然の猛威の前に無力感さえ覚えるが、それでも知恵を絞っていくほかはない。命あるわれわれの務めでもある

 被災地では、ボランティアの受け入れが始まり、大勢が汗を流している。少しでも早い復興を願って、本県からも支援に入る人もいるだろう。現地へ出掛ける前に、ネットなどで災害ボランティアの心構えをしっかり確認しておきたい

 災害は決して人ごとではない。できることを今したい。