言うまいと思えど、思わず口に出るこの暑さである。季節変われば、この寒さ、となるに違いない身勝手さはさておいて、いよいよ今年も、<蓋あけし如く極暑の来りけり>星野立子
「油照り」という。ぎらぎらと太陽が地面を焼く様子が浮かぶが、そうではなくて「風がなく、薄日がじりじりと照りつけて蒸し暑い天候」(日本国語大辞典)を言うらしい
蒸し暑さには「溽(じょく)暑」というおどろおどろしい言葉もある。蒸暑、激暑、甚暑、と豊富な語彙(ごい)からして、暑さには昔から難儀をしていたようだ
四季である。暑くもなければいけない、と分かってはいるけれど、今なお連絡の取れない人が20人近くいる被災地だけでも過ごしやすく、といかないものか。福岡県朝倉市などで被災者の支援に当たる、本県のボランティアや県、県警の人たちの姿を紙面で追いながら願う
大分県日田市の川では、名産のアユを光で驚かせ、網に引っかけて捕る「火振り漁」が再開された。大雨の影響はそれほどないという。アユは、釣りや食を目当てに、延べ約1万人が訪れる観光の目玉だそうだ。刺し身にしても、塩焼きにしてもおいしい、と漁協の組合員
愛知や岐阜でも記録的な大雨が降った。警戒は怠れない。同時に、熱中症にも十分な注意が必要な季節だ。暑夏は、ふたを開けたばかりである。