オープン初日の近代美術館。大勢の人が詰め掛けた=1990年11月3日、徳島市八万町向寺山

 1位に輝いたのは、県文化の森総合公園のオープンだった。県が置県百周年を記念して徳島市八万町向寺山に約300億円を投じて建設した。図書館、博物館、近代美術館、文書館、21世紀館の5館が集まった全国に例のない総合文化施設で構想から10年を要した。

 開園式があったのは文化の日の11月3日。野外劇場では、一般公募の県民ら約2千人がベートーベンの「第九」を高らかに歌い上げた。当時の徳島新聞によると、初日は1万3500人が詰め掛け、近代美術館や博物館は入場者の列ができたとされている。同じ日には、JR牟岐線に文化の森駅が開業した。

 2位は、徳島市が沖合に海中展望室やレストランなどを設ける海洋パーク計画の白紙撤回が入った。

 年明け早々、反対する住民らが必要な署名数を集めて計画の是非を住民投票で問う条例制定を請求した。三木俊治市長は1月18日、「全体的に見直す」と白紙に戻すことを表明。条例案は計画が見直されることを受け、否決された。

 第3位は教育汚職。教員の異動や採用に絡んで前教育長らが贈収賄容疑で逮捕され、教育界に激震が走った。

 台風による惨事も起こっている。台風21号が最接近した10月8日、鳴門市の国道11号で山腹から落下した岩石が通行中の観光バスのフロントガラスを直撃した。運転手やガイド、乗客の3人が即死。乗客11人が重軽傷を負った。

 2月の衆院選では、徳島全県区(定数5)で社会党が1958年以来、32年ぶりに2議席を獲得。当時野党だった公明党の1人と合わせ、戦後初めて与野党が逆転した。トップは後藤田正晴氏(自民)で、後に民主党政権で官房長官を務める仙谷由人氏(社会)と、今も現職の山口俊一氏(自民)が初当選を果たした。

 第9位には、珍しい中学生の授業放棄が入っている。西祖谷中学校(現三好市)の生徒が暮らす寮の管理を巡り、あまりの厳しさに不満を爆発させた生徒たちが改善を求めて、寮に立てこもる騒動が起きた。

 10位外では、徳島市の親善団の一員として中国の丹東市を訪れていた同市議がセクハラをしたことが11位だった。

●平成2年(1990年)
 <1>文化の森総合公園オープン(11月)
 <2>海洋パーク計画を白紙撤回(1月)
 <3>前教育長の汚職摘発(6月)
 <4>鳴門で落石が観光バスを直撃(10月)
 <5>黒沢湿原ゴルフ場計画に反対運動(6月)
 <6>衆院選で社会党が2議席(2月)
 <7>細川内ダム建設推進が本格化(3月)
 <8>「東四国国体」正式に決定(7月)
 <9>西祖谷中学生が授業放棄(5月)
 <10>猛暑の後に台風の秋(9月)