相手のゴールネットを何度も揺らし、押し込まれても負けずに踏みとどまる。これで面白くないわけがない
 
 サッカーJ2の徳島ヴォルティスが好調だ。シーズン前半を3位で折り返し、今も4位につけている。この調子を維持し、J1に自動昇格できる2位内を目指してほしいというのが、多くのファンの願いだろう
 
 チーム初の5連勝が懸かった前節の京都戦。苦しい展開の中でも、後半、鮮やかなパス回しで先制した。その後、元日本代表の闘莉王選手に得意の頭で決められ、引き分けに終わったものの、見せ場は少なくなかった
 
 ここまで11勝7分け5敗の成績は期待以上と言っていい。とりわけリーグ2位となる37得点と、2番目に少ない負け数5が目を引く。得失点差は、何とリーグトップである
 
 振り返れば、J1に上がった2014年は最下位に泣き、再昇格を期した一昨年、昨年もすっきりしなかった。選手層が厚くなり、5年ぶりの開幕白星で波に乗った今年は、まるで別のチームのようだと言ったら怒られるだろうか
 
 残念なのは、ホーム戦の入場者数がそれほど増えていないことである。今シーズンの最高が愛媛との四国ダービーの7500人余りでは、少し寂しい。残るはアウェーを含めて19試合。声援でネットは揺らせなくても、選手に力を送ることはきっとできる。