松江市に本社を置く地方紙「山陰中央新報」に興味深いコラムが載っていた。議会廃止を選択肢として打ち出し、一躍全国に名が知られた高知県大川村は、今後30年で60%も人口が増える見込みだという
  
 増加率は中四国で最も高くなる。意外な数字である。執筆した「持続可能な地域社会総合研究所」(島根県益田市)の藤山浩所長に、予測の根拠を聞いてみた
  
 大川村の人口は、現在400人余り。村は2年前、2050年には100人台に落ち込む恐れがあるとの見通しをまとめている。藤山所長によると、この推計は元になった数値が古く、最近の動向を反映していない
  
 地方消滅の危機が叫ばれる一方で、人口増加の地道な努力が各地で実を結び始めているそうだ。田園回帰志向も相まって、地方の小規模自治体が元気を取り戻す「縁辺革命」とも呼べる事態が進行中だ
  
 当の大川村にも聞いてみた。ここ4、5年で受け入れた移住者は人口の1割、約40人になるという。主には村の地鶏生産事業で採用した人と、その家族だ
 
 小さな山村だから、小さな変化が大きな結果につながる。人を増やすには林業再生が鍵になる、と筒井誠副村長。楽観はできない。しかし、希望がないわけではない。「消滅寸前と思って取材に来た人が『なんだ元気じゃないか』といって帰っていきますよ」。