<「ときに善人を悪人に変えちまうことがある」と背の高い男は言った>(芹澤恵訳)。O・ヘンリーの短編「二十年後」から。20年ってのは確かに長い年月だが、考えようによっては、すぐそこにある未来だ
これからの20年で、世界は随分と様変わりしそうである。そんな予感がさらに確かになりそうな決定を、英政府が発表した。2040年までにガソリン車とディーゼル車の販売を禁止するという
フランス政府もまた同様の方針を表明している。一義的には大気汚染対策のようだ。排ガス規制の動きは欧州やアジアにも広がっている。エンジンの鼓動を楽しむなんてこともなくなり、車はやがて電気自動車(EV)に取って代わられるのだろう
EVを自動運転で制御する次世代車の開発に、米IT大手グーグルなども参入している。「今度のアップルの新型車はいいね」といった会話が聞こえてくる日も、そう遠くはないかもしれない
トヨタとマツダの資本提携も、こうした動きを踏まえたものだ。ハイブリッド車のまだ先を行く必要がある。協力して出遅れを挽回し、次世代のEV開発を急ぐ。企業は生き残りがかかっている
そんな時代に、政治は十分対応できているだろうか。原発の再稼働一つとっても、20年後の世界を一体どう構想しているのか、首をかしげることがある。
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