エルネスト・チェ・ゲバラ。故フィデル・カストロ氏らと並ぶキューバ革命の立役者である

 現地では、Tシャツなどの土産物にあしらわれている。そんな伝説の革命家と、行動を共にした日系人がいたことを、どれほどの人が知っているだろう

 フレディ前村ウルタード。ゲバラからファーストネーム「エルネスト」を授けられ、祖国ボリビアでの闘争に参加する。戦士名「エルネスト・メディコ(医師)」。その生涯を描いた映画「エルネスト」を見た。父は鹿児島県出身で、母はボリビア人。医師を志し、ハバナ大学へ留学する。1962年のキューバ危機のさなか、ゲバラに出会う

 日本とキューバの合作で、59年7月に広島を訪れたゲバラの思いにも迫っている。演じたキューバ人の俳優は、撮影の印象をパンフレットでこう語っている。<これまで味わったことのない感情がこみあげてきて、胸が締め付けられ、それをどう説明していいのか今も難しい>

 1年前、駆け足で巡ったキューバを思い出した。もう1人のエルネストのことを知っていれば、見る風景も尋ねたい事柄も変わっていただろう。悔やまれる

 フレディとゲバラの死から今年で50年になる。2人が生きていれば、75歳と89歳。きょう10月9日はゲバラの命日。キューバやボリビアでは、追悼式典で革命家をしのぶ。