未来は物語の中だけにあるものではなくなった。とりわけ近年の技術革新のスピードは速く、夢の話とばかり考えていたら、既に実現していた、といったことが頻繁に起きている

 現在と未来が入り交じった不思議な時代に、恒例の東京モーターショーが都内で開かれる。28日からの一般公開では、国内外の自動車各社が、人工知能(AI)や自動運転を駆使した近未来の車を披露する

 AIが運転手の心境を読み取り、強いストレスを認めれば自動運転に切り替わって、危険を抑止する車も登場する。試作したトヨタ自動車は、こうした技術を2020年には高速道路で実現し、20年代前半には一般道でも活用できるよう開発を急ぐ

 心境が読み取れるのなら、その先は「きれる」運転手も見抜けるようになろう。相手を高速道路に停車させて死亡事故を招くような悪質ドライバーを、いずれAIが一掃するのかもしれない
 
 無論、ひき逃げなどできないシステムに。阿南市で8年前にあった死亡ひき逃げ事件の犯人は、いまだに逃走中だという。逃げ得を許してはいけない

 モーターショーは、日産自動車や神戸製鋼所の不正で、日本の製造業への信頼が揺らぐ中での開催となる。完全自動運転も遠い未来の話ではない。目を見張る技術革新の光が浮き彫りにするのは、人間の進歩のなさだ。