少年時代に感銘を受けた本として取り上げられることの多い「君たちはどう生きるか」(吉野源三郎著)が発刊され80年になる。その問いは色あせていないようで、最近出た漫画版(マガジンハウス)もベストセラーに名を連ねる

 こんな文章がある。立派な人になりたいなら「誰が何と言ったって」というぐらいな、心の張りが必要だ。他人の目ばかり気にする人は<本当の自分、ありのままの自分がどんなものかということを、つい、お留守にしてしまうものだ>

 不満を言い募る希望の党の面々にも、ぜひ読んでもらいたい。「排除」発言は確かに衆院選の流れを変えたが、小池百合子代表の素顔がうかがえたという意味で、有権者にとってはプラスとなった

 そもそも公党である以上、選別は当然で、人気にあやかろうとした己の不明を恥じるべきだ。前原誠司民進党代表の合流戦術も、野党再編に道を開いたと考えれば、失敗とばかりはいえまい

 取りあえず、野党第1党に迫る議席を得たのである。お家芸の内紛を再現している場合ではない。巨大与党にどう対抗するのか

 人と人がつながり、できているこの世界。そこで笑い、泣き、時にしくじりながら皆、生きている。<僕たちは、自分で自分を決定する力をもっている。だから、誤りから立ち直ることもできるのだ>(同書)。