映像では、故ケネディ米大統領は前から撃たれたように見える。単独犯とされる元海兵隊員オズワルドはその時、斜め後ろのビルにいた。世論調査では米国民の6割が「ほかに関与した人物がいると信じている」と回答したそうだが、無理もない

 暗殺を巡る約2900件の機密資料が公開された。全面開示とはならなかったが、トランプ大統領は先送りした分についても「生存者の名前や住所を除いた全文書を公開する」との意向だ

 数百件の非開示文書に、単独犯行説を覆す新たな事実があるか、といえば、そうとはいえないようである。こうした思考が、むしろ好きそうにも見えるトランプ氏自身が「全ての陰謀論を終わらせる」と説明する

 秘密を暴露するような資料があるなら既に廃棄している。そう考える方が自然だ。だが今回、機密が解除された資料に、こんな奇想天外な事実が含まれていたとあれば、やはり何か、と期待してしまう

 病原菌付きのダイビングスーツを贈ろうとしたり、爆薬を詰めた貝殻を海底に仕掛けようとしたり。海に潜るのが好きなキューバの故カストロ前国家評議会議長を暗殺するため、米中央情報局(CIA)がそんな計画を立てていた

 全く何をしでかすか分からない。事実がどうというよりも、国に対する不信感こそが陰謀論を支えているのだろう。