干支(えと)に絡めた相場格言で知られているのが「辰(たつ)巳(み)天井、午(うま)尻下がり、未(ひつじ)辛抱、申(さる)酉(とり)騒ぐ」である。東京株式市場の日経平均株価が続伸し、終値は1992年1月以来約26年ぶりの高水準となった
 
 多くの上場企業が好決算になっており、投資家の期待が高まっている表れだという。そんなもっともらしい解説を聞かされ、アベノミクスの効果などと説かれても、一向にふに落ちない
 
 持たざる者の嫉妬だ、不勉強だと言われそうだが、とにかく景気回復の実感はあまりない。バブル崩壊後の最高値を上回ったとはいえ、機嫌のいい人も、近くには見当たらない
 
 酉年。思えば、安倍晋三首相が年頭記者会見で、過去の酉年の衆院解散・総選挙を列挙して、こう述べていた。「しばしば政治の大きな転換点となった」。その時、本当に解散が念頭にあったかどうかは分からないが
 
 政界は一寸先が闇だが、株価だって経済的な予測を映して、合理的、理性的に決まるものでもないだろう。きのうまでの常識が、きょうの常識になるとは限らない相場の歴史だ。バブルも「崩壊」も知らない世代と、その影をたどる好機なのかもしれない
 
 格言は「戌(いぬ)笑い、亥(い)固まる、子(ね)は繁栄、丑(うし)つまずき、寅(とら)千里を走り、卯(う)跳ねる」と続く。酉年も立冬を過ぎた。戌に引き継ぐまでの間、酉は果たしてどう動くのか。