味は味でも嫌みの味は、随分と苦かったのではないか。韓国を初訪問したトランプ米大統領の夕食に、島根県竹島近海で取れた「独島(トクト)エビ」が供された。ファストフード好きといわれるトランプ氏にも、意図は十分に伝わったはずだ

 占拠する竹島の領有権を主張したかったのだろうが、北朝鮮を巡って緊張が高まり、日米韓の連携が大切な時期に、わざわざ持ち出すことはない

 そもそも、世界経済の主要プレーヤーたる国にふさわしい振る舞いか。そうではあるまい、との結論で話には片が付くけれど、救いは友好の2文字を大事にしようという人が、韓国にもいることだ

 日韓共同で申請した「朝鮮通信使に関する記録」が先日、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の「世界の記憶」に登録された。江戸時代、朝鮮国王が日本へ派遣した外交使節の記録である

 秀吉の朝鮮出兵が終わったのが1598年。戦後処理の意味合いもあって1607年、幕府が招いた。虐殺に強制連行と侵略された側にとっては許し難かったはずだが、国内外の情勢に敏感に反応し、両国は関係改善へと動いたのである。将軍の代替わりの際など計12回来日している

 韓国の推進団体は「記憶」登録を「両国が共に成し遂げた結果で、意味がある」とした。本来は当たり前の味が、格別だった、と感じる時がある。