過ぎたるはなお及ばざるがごとしといわれるが、地位が上がるほど身に付けたいのが慎みである。モンゴルにも、似たことわざや教訓があるはずだ
 
 東横綱日馬富士関が引き起こした暴行問題で、相撲界が揺れている。東の横綱といえば番付最高位。最上段で太く、大きな字で記されている。強さの証しであり求められるのは、これにふさわしい品格だろう
 
 その横綱が先月の秋巡業中、酒席で同じモンゴル出身の平幕貴ノ岩関をビール瓶で殴るなどして、頭部にけがを負わせたことが発覚した。酒豪で知られ、同時に酒癖の悪さも指摘される日馬富士関。どんな具合だったかは不明だが、「一杯は人酒を飲む、二杯は酒酒を飲む、三杯は酒人を飲む」である
 
 横綱は生活態度を注意していた貴ノ岩関がスマートフォンを気にしたことに、激怒したとされる。過ぎたるは「指導」かもしれない。16歳で来日した細身の少年も33歳。酒席だったで済まされるような事態ではない
 
 今回の件を間接的に知りながら、力士間の単なるトラブルとの認識でしかなかった日本相撲協会の姿勢も問われる。21年ぶりに年6場所、90日を通しての「大入り」が確実な一年納めの場所に浮かれ、緩みはなかったか
 
 数々の不祥事で教訓を得てきたはずなのに。のど元過ぎれば熱さを忘れる。その体質を変えなければ。