一将功なりて万骨枯るという。功ならずとも死屍累々(ししるいるい)。その大将も身を引いて、組織の先行きはいよいよ混沌(こんとん)としてきた。希望の党の「創業者」、小池百合子東京都知事が党代表を辞任した
 
 衆院選の不振で国政に嫌気が差したらしい。積極的な改憲論議と安全保障関連法容認の「小池路線」に近い議員で固めた役員人事を見届けて、結党わずか1カ月半での投げ出しである
 
 「排除」発言でヒロインになり損ねたが、言葉の強さほどに選別は徹底していなかったようだ。自民党へ行った方が良さそうな人から、党の路線にあらがって改憲反対を掲げる人まで、主張の幅は扇のように広がっている
 
 扇も要を失うと、後はばらばらになるしかない。玉木雄一郎新代表には気の毒だが、しょせんは大将の人気に希望を託して生まれた政党なのである。その凋落(ちょうらく)が著しいとなれば、分裂は時間の問題かもしれない。党の立て直しにはよほどの胆力が求められよう
 
 小池人気の盛衰からは、ポピュリズム(大衆迎合政治)の風潮が強まる中で、英雄を求めて漂流する有権者の姿が読み取れる。ただし「英雄を必要とする国は不幸だ」との至言もある
 
 だから玉木さん。やるべきことは、はっきりしている。目先の利益に拘泥せず、しっかり将来を見据え、じっくり政策を磨き上げることだ。王道を行こう。