【上】日昇商事のヤード内を捜索する県警の捜査員ら=午前10時50分ごろ、石井町浦庄【下】鳴門署へ移送される于振南容疑者=午前9時55分ごろ、板野署

【上】日昇商事のヤード内を捜索する県警の捜査員ら=午前10時50分ごろ、石井町浦庄【下】鳴門署へ移送される于振南容疑者=午前9時55分ごろ、板野署

 徳島県警と高松入国管理局は10日、「ヤード」と呼ばれる機械類の解体作業場を使って無許可で廃棄物の収集や処理をしたとして、廃棄物処理法違反の疑いで、株式会社日昇商事(石井町浦庄)社長の同町石井、于振南容疑者(33)ら中国人5人を逮捕した。県内でのヤードの摘発は初めて。全国ではヤードを舞台にした外国人犯罪が相次いでおり、県警は県内でも警戒していた。

 逮捕容疑は2016年4月27日から10月7日までの間、知事や市町村長の許可を受けずに同社ヤードなどで8回にわたり、リサイクル業者や一般人から産業廃棄物のほか、一般廃棄物の洗濯機やテレビ、冷蔵庫など17台を収集し、破砕して処分したとしている。

 県警は各容疑者の認否を明らかにしていない。

 県警によると、日昇商事は14年に大阪市内から石井町に移転してきた。数千円程度の回収料をもらったり無償で引き取ったりした家電や農機具、自転車などを解体した後、金属くずにして販売していたとみられる。同社は古物営業の許可は取っていたが、廃棄物の収集・運搬や処分の許可は持っていなかった。

 県警は今月4日に捜査本部を立ち上げ、10日午前に55人態勢で石井町のヤードや吉野川市鴨島町上浦の同社倉庫など数カ所の家宅捜索に入った。ヤードには鉄くずや草刈り機、自転車などが山積みされており、捜査員は帳簿類を押収するなどして販売ルートなどの実態解明を進める。

 ■おことわり 徳島県警に経営者らが逮捕された石井町浦庄の株式会社日昇商事は、徳島市新浜町1に本社を置くコンクリート補修・美装工事業の日昇商事有限会社とは関係ありません。