いい話を知れば、ちょっとまねをしてみたくなる。米大リーグ・エンゼルス移籍が決まった「二刀流」、大谷翔平選手の岩手・花巻東高時代の恩師、佐々木洋監督の指導には、なるほど、というところがある
 
 目標はゴールよりも先に定める。それが成功のこつらしい。球速160キロを目指すなら、目標は163キロに設定する。でないと158キロにとどまってしまうものだ
 
 160キロすら夢だった高1の時、教えを受けたその日、大谷選手は訓練室に「163キロ」と書いた紙を貼った。後年、日本プロ野球史上最速の165キロを出せたのも、常にもう一歩先に目標を置き鍛錬してきたからだろう
 
 才能に恵まれているからできること、こちらは100キロも無理と嘆くことはない。大リーガーではないので当然。こちらにはこちらの道があり、そこにもまたもう一歩先がある
 
 大谷選手ほど若くないから、と弱気な声も聞こえてくる。記者自身の声だったりもするが、それは脇にどけて。何かを始めるのに、遅すぎるということはないはず。思い立ったが吉日とやら
 
 50にして49年の非を知る。その分、知恵が付いたと思えばいい。残された年月はどれぐらいだろう。年では心細いので月に、まだ頼りないので日に時間に、分に秒に。換算してみると割に長い。だから、もう一歩先、前を向いて歩く。