開館100年を記念して、徳島県立図書館でこの100年間のベストセラーを集めた企画展(1月28日まで)が開かれている。展示リストを眺めて、ちょっと悩んだ。聞くべきか聞かずにおくべきか
 
 つまらない質問をして恥をかいた経験を数えると十指では足りない。そうですかね、と否定されでもしたら、と思いながら、少し声を落として「戦前は難しい本が多いですね」
 
 1921年「善の研究」西田幾多郎、41年「人生論ノート」三木清-といった哲学書、28年「マルクス=エンゲルス全集第1巻」、31年「平凡社大百科事典」。実用書や流行作家の本が並ぶ戦後とは随分趣が違う。20年の賀川豊彦「死線を越えて」、36年の北條民雄「いのちの初夜」と本県ゆかりの作品もある
 
 企画した高橋律子資料担当係長は、23年の大日本雄弁会「大正大震災大火災」に驚いたという。関東大震災の混乱の中、早くも発生翌月の10月に発行されている
 
 ラジオ放送の開始は、それから2年後だ。紙に記された活字がもたらす情報の貴重さは、ネット全盛の現在とは比較にならなかった
 
 では偽ニュースがあふれる世の中にあって、100年後の図書館はどんな姿でしょう? 想像が及ばない点もあると断りつつ「利用者の問いに、根拠を持って答えられる場所であり続けたい。それが図書館です」。