板野、上板両町を管轄する板野西部消防組合の板野西部消防署(板野町羅漢)で、30、40代の男性職員6人が部下の20代の男性職員4人に対して暴言、暴行などのパワーハラスメント(パワハラ)を行っていたことが10日、分かった。組合は加害者と被害者双方の聞き取り調査を進めており、近く加害者を処分する。
組合によると、昨年4~12月、消防司令補、消防士長、消防副士長の計6人が、消防士4人にパワハラを働いた。
組合は詳細を「調査中」としているが、主に管理職がいない夜間に署内で行われていたもよう。忘年会の席で蹴られたり、髪の毛を引っ張られたりしたとの訴えもあった。現時点でけがの報告はない。
昨年12月中旬、20代の消防士が体調不良を理由に勤務を数日休んだ際、組合の問い合わせに対して被害を申し出た。これを受けて組合が退職者を含む職員ら約40人にアンケートを行ったところ、この消防士を含む4人が被害を訴えた。調査に対し、加害者6人はパワハラを行ったことをおおむね認めている。
休んでいた消防士は現在、職場に復帰している。被害を訴えた別の消防士は昨年9月、「自己都合」を理由に退職しているが、組合はパワハラが理由ではないとしている。
組合は10日、組合議会の臨時全員協議会を消防組合で開き、経緯を報告した。幹部職員5人でつくる「分限懲戒審査委員会」が被害者、加害者双方の言い分を聞き、処分を決める。
石川利治消防長は徳島新聞の取材に対し「パワハラがあったことは事実。今後、弁護士とも相談しながら処分内容を検討する」と話している。