歌人の俵万智さんは大いに悩んだらしい。審査員として「同じテーマで競う優秀作品が、今年は例年になく多くて、選ぶのに苦労しました」とある
 
 多事多難なこの年、漢字四文字でどう切り取るか。年末恒例、住友生命が発表した「創作四字熟語」50編に宿っているのは豊かな感性だろう。それに訴えかけたのは若者である
 
 将棋の中学生プロ藤井聡太四段は「棋聡天才(きそうてんさい)(奇想天外)」の活躍で29連勝の「連聡棋録(れんそうきろく)(連勝記録)」は見事だった。陸上男子100メートルで桐生祥秀選手は9秒98という「九九八新(きゅうきゅうはっしん)(緊急発進)」(徳島県・安藝達也さん作)の走りを見せ、「桐走十内(きそうてんない)(奇想天外)」の記録を打ち立てた
 
 藤井四段と桐生選手を巡る2作品を俵さんは「それぞれに魅力のあるペアです」と評したが、まさにその通り
 
 寄せられた1万2699作品のうち、最も多い分野は政治・経済で36%を占めた。唐突感が否めなかった衆院解散は「政変霹靂(せいへんへきれき)(青天霹靂)」であり、小池百合子都知事が新党を立ち上げ、「一気党編(いっきとうへん)(一騎当千)」(徳島県・澤田和之さん作)するなど「都希之人(ときのひと)(時の人)」になった
 
 俵さんが大いに笑わせてもらったという作品は、お盆一つの裸芸で人気のアキラ100%さんの「盆裸万笑(ぼんらばんしょう)(森羅万象)」。喜怒哀楽、いろいろあったけど、笑って締めくくりたい。